※このプレイ日記は2014年6月22日に完全後援者のスイマーさんが製作したものです。










<札幌>




 スイマー先生。今日は3大カニ食べ放題のお店「おれの札幌」で夕飯ですね。



 あぶらがに、ずわいがに、毛蟹の3大カニ食べ放題。楽しみだな。








<あぶらがに>






<ずわいがに>






<毛蟹>





 歳四さんやナコルルさん、リムルルさんも楽しみにされていましたよ。



 うむ。だがその前に一仕事だ。



 どんな仕事なのですか?



 『Kanon』というゲームのレビューだよ。














第1164弾





Kanon















<数日前>


 スイマークン、久しぶりだね。元気そうでなりよりだよ。



 大河長官。札幌への出張中にわざわざ顔を出してもらえるとは恐縮です。



 少し時間があったからね。北陸華撃団のメンバーもよくやってくれているよ。



 いろいろとありがとうございます。




 そういえばスイマークンに1つ依頼したいことがあるんだ。



 なんでしょうか?


 先日、北陸華撃団で「Kanon」のレビューを行ったのだが、

小和田の邪魔にあってしまってな。

結果的に「Kanon」はただのエロゲーの1つとして評価付されてしまった。

そこでだ。スイマークンから改めてレビューしてほしいのだ。



 なるほど。さすがにあの神ゲーともいわれる「Kanon」のレビューは、北陸華撃団のメンバーには

荷が重かったかもしれません。わかりました。やってみましょう。



 うむ。そう言ってくれると思っていたよ。よろしく頼む。








〜回想終了〜







 というわけだ。



 そういうことでしたか。スイマー先生も大変ですね。



 まあ、大河長官には恩義もあるし、北陸華撃団の敗北は俺の敗北に等しい。

このままにはしておけないよ。



 北陸華撃団の方にもいつかは会ってみたいものです。



 ではさっそく、レビューを開始だ。物語についての概略は前回、

北陸華撃団のメンバーがしているからある程度省略する。

まずは小和田の言っていた18禁ゲームでありエロゲームでしかないという点だ。



 ふむ。当初は18禁ゲーム(18歳未満購入禁止)という形で販売されたのでしたね。








 


 いわゆる「美少女ゲーム」業界の黎明期から発展期においてはそのほとんどが

「18禁」として発売されていた背景がある。

また家庭用ゲーム機での発売に際してはハードメーカーに支払うライセンス料や専用の開発キット、

リースなどの高い開発コストがネックになるケースも多いが

パソコンソフトとしての販売ではそれらが必要なく小資本での開発が可能。

その他にも販売対象を18歳以上としていることから、

単純に性的描写以外にも表現度の自由度が大きいということも重要なポイントだな。

パソコンソフトの販売だからこそできるパロディ要素や社会風刺、

あくまで性的描写のサービスシーンを加えたいということから18禁ソフトという枠組で

販売されることもあるくらいだ。



 なるほど。そのあたりの歴史や概要を詳しく説明すると論文のようになりそうですね。












 実際に18禁版を遊んだ方ならほとんどの方が「Kanon」のエロ描写などただの飾り、

オマケである
と語るだろう。あの作品の本質がエロではなく感動にあるのだからな。











 さらに数字的な根拠を言えば、全年齢版としてドリームキャスト版で55,761本、

プレイステーション2版で44,753本
の販売実績がある。

(ファミ通のデータを参照としたネット情報より)

さらにパソコンソフトの全年齢版やその他、ハードや携帯アプリなどの全年齢版バージョンを

含めれば相当の数字になるだろう。

女性ユーザーの獲得にも成功した「Kanon」。アダルトゲームがアダルト・ポルノ業界で

異色の存在となっていくきっかけとなったソフトの1つであることは言うまでもない話だ。










 


 また当時発売されていた「Pia・キャロットへようこそ!!」や「To Heart」、そしてこの

「kanon」のヒットがアダルトソフト業界において恋愛ゲーム主流のトレンドを

作り出したといわれている。



 いずれのソフトも有名なゲームなのですよね。



 小和田の主張に対する回答および反論はこのあたりでいいだろう。

ここからは多少、物語の核心について語っていく。今さらだがネタバレも含む。

まあ、すでに発売から15年以上経過しているし時効といってもいいだろうけどな。



 よろしくお願います。



 「Kanon」は、簡単に言えば「奇跡」の物語。この物語は極端な話、

「奇跡」が起こればハッピーエンド、起こらなければバッドエンドということだ。

例外もいるけどな。



 「奇跡」ですか・・・。



 さて、慶広。ここでそれぞれのキャラクターの真実と物語終盤におこる悲劇

ついて解説しておく。まずは水瀬名雪だ。










<水瀬名雪>

主人公の幼馴染みで7年前に主人公と「失恋」している。

だが主人公はその事実を完全に忘れている。

<悲劇>

母親である水瀬秋子が交通事故に遭い、意識不明の重体となってしまう。






 強烈なネタバレですね。しかし、悲劇が酷い・・・。



 ちなみに秋子さんは名雪の母親ということ以外はいろいろと

謎の多き人物で年齢も不詳。名雪の場合、本人でなく母親の交通事故であり

間接的な悲劇内容である点が他のキャラクターと異なっている。

とはいえ名雪にたった一人の肉親であり

その悲惨さは他のキャラクターにも負けてはいないけどな。





<母・水瀬秋子>





 続いて美坂栞だ。










<美坂栞>

ゲーム開始時点で既に不治の病におかされており余命宣告まで受けている。

にも関わらず真冬に薄着で歩き回り、屋外でアイスクリームまで食べている。

<悲劇>

物語終盤に容体が急変し、その後死亡(と推測される)。











 余命宣告ですか・・・。そこから彼女の有名な台詞に繋がるわけですね。



 ある意味で最も現実的なキャラクターであるとも言える。

実は自殺をしようと考えていたという事実も物語を進めていくと判明したりする。

彼女なりに余命を精一杯生きようとしていたというのもあると思う。

お次は沢渡真琴だ。










<沢渡真琴>

実は主人公が昔、拾って飼っていたキツネであり人間に変身したもの。

沢渡真琴という名前も主人公が好きだった近所に住んでいた年上のお姉さんの名前である。

(子狐であった頃の真琴に主人公が話していた)

人間になるための代償が記憶と命のため、出会いは記憶喪失の状態であった。

<悲劇>

人間になる代償が命でもあり徐々に本人の精神が退行、肉体も弱っていく。

その後、消えてしまう(死亡する)。




 真琴の場合はすでに人間になるという「奇跡」を起こして登場している。

さらに物語の最終局面において「奇跡」が起こったのかどうか、

そして悲劇から生き返ったのかどうかわからないままエンディングを迎える点が特徴的だな。

このエンディングを高く評価する声が多いのも事実ではあるが。



 沢渡真琴は、端的に言えば化け狐なのですね。



 それはあまりにも端的すぎる。ファンに怒られるぞ。あと2人だな。

次に紹介するのが川澄舞。人気上位のヒロインだ。











<川澄舞>

実は主人公が幼い頃に出会っており、現在は学校となっている麦畑だった場所で何度も遊んだ過去がある。

また舞には特別な力があり、さまざまな「奇跡」を起こしている。

彼女は夜の学校で「魔物」と対峙しているがそれは彼女自身が作り出した分身であり、

主人公との思い出の場所(麦畑=現在の学校)を守るために戦っていた。

しかし主人公は当時のことは全く覚えていなかった。

<悲劇>

終盤、割腹自殺を行ってしまう(その後、死亡したと推測される)。










 剣を持っている時点で只者ではないとは思っていましたが、

やはりいろいろとぶっ飛んでいますね。



 最後に月宮あゆ。









<月宮あゆ>

主人公とは7年前に出会っており、木から転落し現在は植物人間状態。

登場するのは言わば生霊であり霊が実体化したものとされる。

「奇跡」起こせる存在であり、物語の鍵となる最重要人物である。

<悲劇>

物語の最終局面で消滅する(植物人間状態から死亡)。






 結局、「奇跡」が起きないと名雪以外は全員死亡ってことなのですね。

重過ぎです。



 うむ。では慶広、この中から「奇跡」で1人だけ救えるとする。誰を選ぶ?



 ううっ、さすがに特定の1人を選ぶのはキツイです・・・。



 そうだな。この選択を当時のプレイヤーは大変思い悩んだときく。

明確な答えはないだろうが俺はこう考えている。

沢渡真琴だが彼女はすでに代償を払って人間になるという「奇跡」起こしている。

その結果が終盤の悲劇なのだろう。

川澄舞は割腹自殺を図るが、舞の力と主人公の力で起こる「奇跡」により復活したと考えてよいと思う。

よってこの2人は自身の力により「奇跡」を起こしているわけだし

解釈の仕方によっては2人とも助かるとも考えられる。



 つまりこの2人は「奇跡」で救える選択肢からは除外できるということですね。



 問題は残りの3名だ。あゆ、栞、名雪は、それぞれの悲劇から復帰する手段は、

月宮あゆの犠牲的な「奇跡」の力のみだ。

あゆは主人公との再会を待つように7年間を植物人間状態ながら生きながらえている。

生霊として主人公の前に現れたこと自体も「奇跡」といえるが、

「奇跡」を起こすだけの代償はすでに払ってきたと思う。

あとはプレイヤー次第だが俺はやはり月宮あゆの復活を1番に選びたいと思うな。



 そうですか。ただ、月宮あゆが復活しても栞は死亡、秋子さんも重体のまま

というのはちょっと後味の悪さは感じますよね。



 そうだな。だからこそ、栞にしても名雪にしても自身で「奇跡」をつかみ取ってほしいと思う。

「奇跡」を信じないものには「奇跡」は起こらないし、「奇跡」を起こすべく人間は努力し、

祈り、限りなく0%に近いものを1%、2%と高めていかなきゃならない。

正直、秋子さんの事故だけみたら本当に不運で不幸としか言いようがない。

名雪の「奇跡」は本当は主人公と恋仲になることなんじゃないだろうか。



 全員が救えるようなシナリオはないのですか?



 「アニメ版」は全員に「奇跡」が起こるようになっている。

月宮あゆのハッピーエンドがベースとなっているけどな。

ちなみに真琴は消えてしまって帰ってこない。

あとアニメは、東映版京都アニメーション版の2種類が作られている。











<東映版>






<京都アニメーション版>








 絵が違いますね。

 好みはあるだろうが、東映版は原作に近い絵柄、京都アニメーションは現代風といったところか。

どちらにせよ、1つ作品が基本的には同じ内容で2度もアニメ化されるというのは凄いことだと思う。

「ドラゴンボール」なんかはそうだけどね。



 なるほど。言われてみれば確かにそうですね。



 さてと、最後にこの「kanon」の舞台について語ることにしよう。



 舞台ですか・・・ゲームでは「雪の町」と「雪国」などと言われていますね。



 残念ながらゲームではその舞台を特定することはできない。

但し、京都アニメーション版のアニメではヒントが出てくる。

いわゆる「聖地」というやつだな。



 おお!それはずばりどこでしょう?



 まずはこちらを見てほしい。

















 札幌の琴似という地域だ。建物がほとんど同じだろう。



 おおっ!本当ですね。
















 札幌では有名な病院でもある中村記念病院だ。これも同じ形の建物だ。



 まさしく。ということは舞台は札幌なのですか?



 ベースとなっている舞台は札幌でいいのではないかと思う。だが、学校は東京、商店街は横浜、

駅は京阪電車の守口市駅がモデル
となっていたりするから、すべてではないけどな。



 そうですか。札幌ですべて聖地巡礼ができるわけではないのですね。



 さてと。慶広よ、これから素晴らしい場所に案内しよう。ついてこい。




 わかりました。お供させていただきます。













 


 旭山記念公園だ。札幌の市内を見渡せるカップル御用達のスポットだ。



 カ、カップルって(汗)



 まったく残念な話だ。男2人で来るようなとこじゃない。



 スイマー先生。ここってまさか、あの!?










 


 よく気づいたな。あの円形の建物は札幌プリンスホテル。「探偵はBARにいる」

終盤の舞台となったホテルだ。



 ということは、ここがあの「ものみの丘」ですか!?



 確証はないが、旭山記念公園がモデルとなったと言われている。

ここに来るのは7年ぶりか。



 7年経っても変わらないね。スイマーは。



 うむ、否定はしない。



 あ、あなたたちは!?

 真琴か。久しいな。ここにくれば「奇跡」的に会えると思っていたぞ。



 今度はちゃんと覚えていたみたいね。思わず復活しちゃったわよ。



 私は川澄舞オリジナルの分身。だから姿は当時のまま。

だけどオリジナルとは完全に分かれた存在。



 そうだろうな。もうとっくにOLとかやっている年頃のはずだからな。



 スイマー先生、なんという安っぽい「奇跡」なのですか(汗)というか・・・














 まあまあ、堅いこと言うなよ。たまにはこんな奇跡もいいじゃないか。

2人分追加で早速カニを食べに行くぞ。



 えええっ!そんな簡単に締めちゃうのですか!?







さらに2名の仲間を加えたスイマー一行。

北の大地での戦いがいよいよ始まる。




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