※このプレイ日記は2014年4月26日に最凶後援者のさんが製作したものです。








 最後の突撃が始まったか・・・。



 本隊が敵主力を引きつけている。今のうちだ。



 三号殿は、生き延びる事が出来て、さぞ満足であろうな。



 貴様は不満か?



 死に場所を誤るなど、
生き恥を晒すも同然ではないか!?



 貴様のような性格なら死ぬ方が楽だろうな。
だったら生きろ。



 なに?



 
苦難、困難を打ち破る為にあるのが、本物の突撃精神だ。



 アラート!
敵機接近!敵機接近!















 ッ!?
敵機!?



 ぐっ、しまった!













 さ、
三号殿ッ!?
















第1169弾





アドバンスド大戦略 作戦ファイル


PartB



















 な、慣れん事はするもんじゃ無いなぁ。



 まったくだ!
何故私を庇うような真似を!?



 突撃精神・・・なのだろうなぁ、これも。



 
敵ツイゲキ部隊接近チュー。注意セヨ。注意セヨ。



 くくく・・・
人の死を背負って生きるのは辛いぞ、女子党員。



 笑っておる場合か!早く移動せねば!



 
・・・思えば、何一つ良い事の無い人生であった・・・。



 お、
おい!しっかりなされよ!



 ・・・いや。















 ・・・。











 
(一つくらい、良い事もあったか・・・はは)



 三号。死ヌノカ?



 なんとしても女子党員を頼むぞ、怒無ぱる。



 ”ナントシテモ”・・・
リョーーカイ。



 ひ・・・
一口水をくれんか、女子党員。



 よ、よし待ってろ。











 そら、水だ。好きなだけ飲んで、一緒に逃げるぞ!



 く・・・くくく・・・。



 な、何が可笑しいか!?














 
ふゥ〜〜うま・・・。



 え?



 (うまい・・・うまい、な・・・)











 ・・・カク・・・。



 さ・・・三号殿?
三号殿!?冗談が過ぎますぞ!!



 
敵発見。













 
自爆シテデモ、排除シマス。三号。



 ・・・。















 
三号殿ォォ!!





















 
敵機振り切りました。此処まで来れば・・・。



 まさに間一髪でしたね。



 チェス党が敵本隊を叩いてくれたお陰で、一時的に敵命令系統が混乱したのが

成功の要因でありましょうな・・・。



 ・・・・・・。



 隊長、いつまでも不貞腐れてないで下さい。



 奴は・・・
奴らはまた、図々しく現れるかな。



 平気でしょ。
殺しても死なないような連中ですよ。



 
馬になったって平然と戻ってきたんですから、大丈夫ですよ。きっと。



 しかし、脇役がいきなり目立つと、ロクな事にはならんモンです。



 
脇役の我らが言う事では無いがな。



 クソ・・・
あの馬鹿どもが。
















最後の突撃。











刻、薄暮の事だった。

弱々しい陽の光を、白襷と白刃が鈍く照り返す。









先陣を切った二号の咆哮が、戦場に響き渡った。














二:どうせ我等は敵本体までは辿り着けやせん!思う存分斬り刻め!










 


(アヴァロン兵) て、敵襲〜〜!長剣連合のバンザイアタックだ!



(党員)
 やっちまえ!



(党員) ブチ殺せ!!



(アヴァロン兵) ヤツらいつのまにこんなところまで来やがったんだ!?














(党員) 
うぉぉぉ!突っ込め〜〜!!



 
突破口だ!突破口をこじ開けさえすれば、後詰の副総裁が勝負をつける!















 クソ!兵力をこっちに回せ!
火炎放射器をもってこい!



 
燃えろォォ〜〜!!













 
んぐッ!?



 
党員二号ォォ!!



 その声、一号殿!?かかか。やっと御戻りか、美味しいところをッ・・・!



 今行く!
今いくぞ二号ォ!!



 来んでいい!!



 ッ!?



 貴様は副総裁共々本陣に突っ込め!
白襷隊続けぇ!!



(白襷隊) チェストォォー!!




 突っ込んでくる!撃ち殺せぇ!














 
ごふッ!さ、最期はこんなモノか・・・。



 二号ッ!








 

 
(副総裁、一号殿・・・後は頼みますぞ・・・!)



 敵本陣までの道が通りましたぞ、副総裁!!



 見事なり党員二号!
後はまかせぇぇいぃ!!
















(アヴァロン軍将軍) どうした?周りが騒がしくなってきたな。



(アヴァロン将校) チェス党の決死隊のようです。すぐに撃退できるでしょう。



 
ぬおおおぉぉ!ロングソード連合バンザーーイ!!



 うわっ何だコイツらは!?















 
ワッ!!















 あの爆発は近いな?敵の砲撃か?



(アヴァロン士官) ちょっと外を見てきます。

















 ワッ!
党員一号だ!



 
撃て撃て!



 あの火炎放射器は自分が黙らせます!



 任せた一号!



 しからば副総裁!
御先逝かせて頂きますぞ!
















 うおーーーーッ!チェス党ばんざ〜〜い!!



 ひ、
火だるまのまま突っ込んでッ!?
















 
チェストォォォー!!



 
ぐああああぁ!!



 だっはははは!!貴様こそ突撃精神そのものであったぞ!党員一号!!!



 と、止めろ!
奴らを止めろ〜〜!!



 
有馬記念を制したこの脚!止められると思うなぁ!













 


 (・・・馬になり化物になり・・・)



 
撃て!撃て!











 


 (吹き飛ばされ、また吹き飛ばされ・・・
良い思いしました、隊長ッ!



 あああ!ダメだぁ!?



 
さらばです!

















 
チェストーーーーーー!!



 
うわーー!?
















 (共に戦え、幸福でした!!)
















 
ワァーー!!



 
ギャアー!



 な・・・なんて事だ。こんなバカな・・・















アヴァロン軍司令官。チェス党の自爆攻撃により戦死。

これにより部隊の統制は一気に乱れ、作戦は見る間に瓦解した。






結果、多くの非戦闘員並びに、長剣連合隊長直属部隊は脱出に成功。


一方、チェス党は玉砕し、組織は文字通り消滅した。

”殺しても死なない”と、そのしぶとさだけは称えられてきたチェス党であったが、

その最後はあまりにも呆気なかった。
















〜数日後〜






 長官、党員二号の消息は?



 未だ不明。恐らくは戦死したものかと。



 
組織に殉じましたか・・・さすがチェス党党員、と言っておきましょうか。



 惜しい男でしたな。



 ・・・一号殿は?



 噂では副総裁共々、敵本陣へと突っ込んだとか。



 そうですか・・・
なるほど、そうですか。



 司令?



 いえ。
彼も、最後の最後までチェス党でしたね。


















 チェス党、無くなっちまったんだってな。



 
いないとそれなりに淋しいものですね。



 何が突撃精神だ。勝手に現れて勝手に吹き飛んで。
最後まで迷惑な連中だ。



 死んだ後も手厳しいなぁ。



 生涯賭けて長剣の為に戦うだなんだホザいてあのザマか。

出来もしない事を口にしやがって。



 おい隊長。
 俺はまだまだ戦うぞ。それなのに、こんなとこでくたばりやがって。



 ・・・ま、長い短いはさておいて、生涯ってのは守り抜いたんじゃない?



 
二人は、あの馬鹿みたいに簡単に途中下車しないでくれよ。



 ・・・さ。早く食べないとせっかくの鍋が冷めちゃいますよ。





















 
(生き延びたところで、何をせよと言うんですか・・・まったく)



 何見てるの?ネジ?














 なんと言いますか・・・
突撃精神の欠片、といったところです。



 どむぱる、だっけ?・・・あのロボットの?



 それらしい部品を拾ってきただけです。機械にはまるで弱いものでして。



 他の人たちの・・・その、遺品だとかは?



 どなたもこなたも、
木端に自爆するのがお好きな方々でしたので。



 ・・・そっか。



 貴方、これからは?



 さて。
当面の目的を喪失してしまいました。旅にでも出るとします。



 そう・・・いってらっしゃい。



 一路平安。
その旅路が、幸多き事を祈ってるわ。



 なぁに。私達の場合、目的さえ決まれば後は簡単です。













 突撃あるのみ、ですから!








チェス党活動記・完







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『ふりむくな ふりむくな

うしろには夢が無い

思い切ることにしよう

ハイセイコーはむなしかったある日々の

代償にすぎなかったのだと』












『だが忘れようとしても

眼を閉じると

あの日のレースが見えてくる

耳をふさぐと

あの日の喝采の音が

聞こえてくるのだ』








詩・寺山修司

〜さらばハイセイコー より〜