※このプレイ日記は2014年6月27日に後援者のぼーぱるばにーさんが製作したものです。
第1252弾
トリプル・キャノピーの魔女
※始めに
本プレイ日記には私ぼーぱるばにー及び副官のハイデマリーが登場しますが、
今までのプレイ日記との関係はありません。
パラレルワールドとしてご覧ください。
劇中に出てくる用語
バンナン人民共和国
東南アジアの国々の中でも貧しい方の部類に入る国で、
産業もろくに育たないまま共産主義化したので国力が発展しなかった。
後年ベトナムのドイモイ政策にならって様々な改革を進めるも、
既得権益層の切り崩しに失敗したため極端に貧富の差が激しくなり、
とくに少数民族が貧困層に追いやられる事になった。
タレン議長が実権を握ると、『人民の幸福のために社会主義の原点に立ち返る』と叫び、
時代に逆行する統制経済や集団農業などを推し進めはじめた。
バンナン人民共和国軍
貧しい国だが、国家予算の割に軍事費を多く配分している。
が、数をそろえる事を重視しているため訓練にまで予算がまわらず、
空軍のパイロットの飛行時間はかなり少ない。
そのうえ見せかけの戦闘単位を増やす為に定石である一小隊4機編成をやめて
一小隊3機編成にするなど内情は貧弱である。
陸軍の車両部隊も数は多いが予算不足で砲弾や燃料を満載できないでいる。
パナン人自治区
ダ・エン・ルーを中心に半径40kmの範囲がパナン人の自治区である。
中心都市以外はほぼジャングルでパナン人の住む集落が点在しているだけである。
中心都市とはいえ、人口は5万に満たず、
妙にフルーティーな地酒以外たいした産業もないため基本的に貧しい。
お金や食料を貰って政府軍に協力する集落も少数ながら存在している。
FPF[自由パナン戦線]
バンナンで最も多数を占めるバーヌ人による迫害に抵抗するために組織された武力集団。
最初のうちは主に首都でテロ行為をしていたが、
それでは他の少数民族の賛同や国際的な支持を得られないとして
一般市民を巻き込まないようゲリラ戦で軍事施設を襲撃する方針に切り替えた。
自治区が認められると来たるべく独立にそなえて軍としての組織の転換を図った。
日本が武器商人経由で資金や、東欧製のAKやRPGを送ったりして裏で支援している。
日本政府のパナン族支援
パナン族は第二次世界大戦時に、バーヌ人による迫害の保護と引き換えに
日本軍への支援を申し出て英軍に対する破壊工作などで活躍した。
その事もあってパナン人自治区設立の際にも日本の有力な国会議員が関わったとも言われている。
そのため長らくの間経済支援などが続いていたが、
バンナン人民共和国が北京条約機構に加盟する事になったために人民政府はその交流を拒絶し、
後ろ盾を失ったパナン人への迫害が激しくなった。
そこで日本政府は政治難民として受け入れたパナン人に様々な教育を施そうとしたが、
当時の野党は『政治難民の認定が甘すぎる』『満州国のような傀儡政権を建てる気か』などと批難したため、
『人道的受け入れ』として入国させた子供たちに密かに教育を施す方針に切り替えた。
その第一弾としてパナン自治評議会から渇望されていたのが、Raiders乗りの育成であった。
北京条約機構
中露による国境問題や、上海を中心とした華南地方などの分離独立で瓦解した
上海協力機構に代わって北京政府が構想した軍事同盟。
当初は華南共和国など中国から分裂した国々で構成されていたが、
次第に周辺諸国に経済援助と引き換えの加盟を持ちかけはじめ、
新たな膨張主義として日本やロシア、欧米諸国から警戒されている。
対ゲリラ戦仕様のRaiders
どこから撃たれるかわからないジャングルの中に潜むゲリラの対空射撃に対して、
装甲の薄い軽量級Raidersでは被害が甚大になるため、
それにかわって耐弾性に優れたR−17が対ゲリラ戦に投入された。
兵装コンテナの一部に燃料タンクを追加する改良を施し活動時間をのばした事により、
Raidersによるジャングルの常時監視が可能になったためゲリラの活動が著しく制限されるようになった。
※Raiders 市街地や山岳部でのゲリラ戦を主眼において開発された超小型ジェット戦闘機である。
(作中では略して「アール」と呼ばれる)
Raidersは「急襲機」とも訳されるように、市街地や山岳部でのゲリラ戦を主眼において開発された
超小型ジェット戦闘機である。
本編での登場人物
ぼーぱるばにー 本プレイ日記での経歴はストーリー開始時に説明されます。
アンジェ 三姉妹の長女。花売りをせずに妹達を育てた立派なお姉ちゃん。
ハイデ 三姉妹の次女。三姉妹の仲では一番Raidersの操縦が上手。
養ってくれた姉にとても感謝している。
ラヤカ 三姉妹の三女。まだ幼く精神的に弱い面もあるが、
精一杯姉達を支えている。
ジャスティン 元アメリカ軍人で傭兵。豪気で陽気な典型的なアメリカ人。
Mission1
GREEN HILLS
ぼーぱるばにー。都立某中学在学中にアジアの連帯と
融和を掲げる政治団体『大東亜協和連名』に所属していた両親に感化され、
政治運動に参加する。その後デモだけでは収まらず、
高校を中退して東南アジアで傭兵活動を開始。
主に少数民族の独立闘争に参加する。
帰国後その経験を買われMFセキュリティサービス社に入社し、
最年少警備課長に抜擢される。
内戦時には、うみほたる籠城時に一分隊を率いて政府軍部隊の足止めに
成功し、そのまま逃亡。
そして現在、公安を避けるために名前と住所を転々とし、その資金繰りに
消費者金融から合計500万円の借入金がある。と、こんなところね。
これから私達の言うことを聞いてくれれば公安に追跡を中止させ、
借金を肩代わりして報酬もキチンと払うことを約束するわ。
この任務には政治的な問題で君の経歴が必要なの。
もちろん快く引き受けてくれるわよね?
まあ、君にはお願いをしているわけではないので拒否権はないけど。
さて、私達と一緒に来て頂戴。
搭乗するRaiders R−17 BicephalicSnake
東南アジアのとある小さな国、バンナン人民共和国において紛争が発生した。
自治が認められてから平穏だった少数民族のパナン族自治区に
突如人民政府の部隊が進駐し、自治権を剥奪すると宣言した。
自治評議会はこれを受けて長老会議を開き、満場一致で徹底抗戦を決定した。
だが、貧しい国力に似合わずRaidersなどの近代兵器を保有する政府軍に対し、
パナン族は地の利を生かしたゲリラ戦でしか対抗できず、追い払うことは難しかった。
反対に政府軍は、町や幹線道路を確保できても広大なジャングルと
そこに点在する集落全てを掌握することはできず、絶えず脅かされる
補給線の維持などに忙殺され評議会のある中心都市である
ダ・エン・ルーまで進撃できずにいた。
この均衡状態を好機と見て、評議会は発動の機会をうかがっていた作戦を実行する。
対ゲリラ専用にジャングルの各所に多数設置された簡易飛行場に
分散して配備されている政府軍のRaidersを強奪するというものだった。
(政府軍隊長) こちらポイントグリーンヒル!司令部!応援はまだですか!
(政府軍兵士) た、大変です、同志隊長!敵がRaiders(アール)に取りつきました!
なん・・・だと・・・。奴らの狙いはあれか!!
よーし、嬢ちゃんたちは、ちゃんと乗り込んだな。
野郎ども!とっとと、ずらかるぜ!
OKジャス、殿は任せた。お前のデカイ図体はいい弾除けだ。
いいだろう。そのかわり、次、何かあったらお前が殿な。
離陸したら全速で北東へ。ハイデ、ラヤカ、二人ともわかった!?
わかってるわ、姉さん。ラヤカは危なっかしいから、姉さんから離れちゃだめよ!
りょーかいでーす!別にそんなに心配しなくても大丈夫だよー!
不安だわ・・・。でも、まぁいいわ。とりあえず行きがけの駄賃に、基地を破壊しておくわ。
ハイデマリー機、基地施設を破壊。その後・・・。
レーダーに南から敵機の反応・・・。向こうの方が速い。追いつかれるわ。
姉さんたちは先に行って。私が食い止めるから。
ハイデおねえちゃんだけじゃ、あぶないよ!わたしも行く!
ラヤカ、止めて。私たちの腕前じゃ、ハイデの足を引っ張るだけよ。
ここは、おとなしくハイデの言うことを聞きなさい。
・・・はあい。ハイデおねえちゃん、気をつけてね。
姉さん、ありがとう。
お礼はいいから無事に帰って来なさい。無理はしない事。わかった?
わかったわ、まかせといて。
(敵飛行隊長) ゲリラどもめ、猪口才な!
(敵飛行兵) 同志隊長、我々は空戦の訓練をしたことがありません。
大丈夫でしょうか?
案ずるな、それはゲリラどもも同じはずだ。落ち着いてやれ。
来たのはR−27か。日本製の機体で日本人が爆撃されるなんて笑えねぇな。
さらに笑えない事に、アレは中国製のパチモンなんだぜ?
ほう?見た目は変わらんが、どこで区別するんだ?
エンジンの音だ。東京で散々聞いた音と違うから間違いない。
敵機は三機ね。全て叩き落としてやるわ。
ハイデマリーは十分に訓練を積んでいる。ヒヨッ子などものの数ではない。
うわああ!たすけてくれえええ!
こんなもんね。
流石だな。なあ、川に政府軍のガンボートがいる。これじゃ渡れん。
ふっ飛ばしてくれ!
わかったわ、まかせて。
沈めぇ!!
よし、全部綺麗になったな。ありがとよ、嬢ちゃん。おかげで今日も
生き延びたぜ。なあボバ、帰ったら飲みに行こうぜ。
ああすまん。先約があるんだ。また今度な。
なんだ、いつの間に?女でもできたのか!?
・・・・・・ノーコメントだ。
・
・
・
・
・
別に『そうだ。羨ましいか?』って言ってもいいのに。
・・・・・・頼まれても嫌だ。ていうか、なんでこんな場所が連絡場所なんだよ!
※詳しい描写はありませんでしたが、多分娼館(売春宿)の前だと思います。
昔のバブルの負の遺産を、有効活用してるだけよ。
ここに日本人が来ても、ああまたか、としか思われないからね。
それに基本密室だし、密談には最適よ。
そう思われたくないから言ってるんだ。だいたい、あんたもここの女と
思われていいのか?
あら、私のこと気にかけてくれるの?うれしいわ。あと、ここは日本政府の資本で
『こういうこと』のために作られていて、経営実態はないから安心して。
・・・あんたの貞操観念に興味はないから、早く本題に入ってくれ。
別に、一晩ゆっくりしていってもいいのよ?
断る。
・・・ま、立ち話もなんだし、こっち来て。
ぼばとハナは中へ入って行った。
・・・営業実態のない割に、豪華な調度品だな。
一応、高級店っていう触れ込みだから。地元の役所が形だけ見回りに来るけど、
札束掴ませてるからほんとに形だけよ?帳簿も何も見ないしね。
ほんとに、どこの国も役人って奴は・・・。
それにくらべたら、日本のお役人がいかに真面目かって、わかって貰えると嬉しいわ。
それ、あんたの自己弁護か?
あ、そろそろ本題に入るわね。
詳しくは聞いてないが、旧軍の将校が残した手紙が
どうのこうのってやつだろ?
そうそう、そこから詳しく説明するわね。
近年発見された、第二次世界大戦中に我が軍がこの国に進駐していた時の司令官、
安本光哲大佐が家族に宛てた手紙・・・。軍情報部ではY文書と呼んでるわ。
その手紙は空襲で焼けたけど、・・・日付と、「で発見し」「神」「民族」「勝利でき」
と書かれた部分がかろうじて焼け残っていて・・・。
一枚、しかもその情報量で文書とは恐れ入るな。
話は最後まで聞いてもらえる?
あーすまん、続けてくれ。
で、軍情報部はその内容が、当時、彼が戦況の逆転を期待できるほどの
物を見つけたと判断して、それが何かっていう調査を続けていたの。
ところが君も知ってると思うけど、この国は北京条約機構に参加していて、
おおっぴらに調査チームを派遣できないの。
で、調査できずに足踏みしていたところにこの紛争、と。
この紛争、各国の情報部は、人民政府の侵攻の意図が掴めずにいたけど、
我が国の情報部はこのY文書がらみと推測、紛争の混乱を好機として動き出したわけ。
で、俺は何をしたらいいんだ?
君にやってもらうことは、パナン族の人間から何でもいいから情報を集める
という簡単なお仕事です。
君ほどの実績があれば、彼らからの信頼も厚いし、情報も集めやすいでしょう?
・・・一つだけ聞いておきたい。情報部はいったい例のブツをどんなものと
想像してるんだ?
C級コピーライターが飛びつきそうな、埋蔵された金塊・・・。
・・・ではない事としか言えないわ。想像すらできないもの。
たいへんきちょうなじょうほうを、どうもありがとう。
いえいえ、どういたしまして。
・・・皮肉って知ってるか?
君こそ、ノリ突っ込みすらさせない程の隙のなさをどうにかしなさいよ。
ああそうだ、もう一つ。今日見たゲリラの女の子のRの動き、
日本空軍っぽかったんだが、まさか・・・。
ばれた?でも安心して。あの子たちとは違うわ。
強制はしてないし、訓練はパナン族のお偉方の要求した人的支援よ。
わかった。話は済んだから、もう出るぞ。今日は久々に自治区にビールが
入ってくるそうだし、早く帰りたい。
あら、一晩ゆっくりしていかないの?地酒なら、色々あるわよ。
妙にフルーティーだから、ここの地酒は好かん。
それは残念。ああ、一つ忠告。この国のビールは喉越し最悪だから、
買えるなら輸入物の日本製にしておいた方がいいわよ。
ありがとう。今日会ってはじめて、重要な話を聞けたな。
お役に立てて光栄よ。じゃあ、またね〜。