※このプレイ日記は2015年1月8日に後援者のヘルダイバーさんが製作したものです。
フフ…ついに!ついにこの時が来たぞ!
諸君!朗報を期待し、待機していてくれたまえ
オォッ!!
かくして始まった夏の旅行、ヘルダイバーの目標は涼子さんただ一人である。
親友である葵さんが「今日一日で何人の男性に声をかけられるか。」という挑戦にでたため
孤立した涼子さんは既に十分な信頼を置くヘルダイバーに海での護衛を要請、
ヘルダイバーは当然これを了承。
…が、2人の様子は恋人同士に見えなかったのか、涼子さんはナンパ攻撃を受けることに…。
はぁ…全然役に立てなかった…。申し訳ありません、涼子さん。
いいのよ、そんなこと気にしなくて。…そうだ、ヘルダイバー君、
ちょっと手を貸してみて…。
え?
…。
りょ…涼子さん。
こうして指を絡ませれば、少しは恋人同士に見えるかも…。試しに、このまま歩いてみましょ?
は、はい…。
しっかり握って離さないでね…。
第1317弾
Piaキャロットへようこそ!2
PartC
やった!
決まりましたね、司令。
少し早いですが言わせていただきます!司令、おめでとうございます!
浮かれすぎですよ…。終わったわけじゃないのに…。
司令、私も最後まで過信は禁物だと考えます。
やれやれ、二人は心配性だな…。
いいか?これまでの私と涼子さんのかかわりはその多くが私の行動によるものだった。
だが、今日初めて涼子さんの側から私に働きかけがあった。
しかもあのような形で、だ。
これはもう成功を確信していいだろう。あと成功に必要なのは私が想いを打ち明ける勇気だけだ。
ですが…。
少尉、昔から恋愛ゲームのメガネをかけたヒロインは攻略が
簡単な安全パイだと決まっています。
明日司令が想いを伝えて、あとは二人でバイトの最終日まで甘い日々を過ごすだけですよ。
ねぇ、司令?
ハッハッハッ…。
ヒィッ!
お前はメガネっ娘への愛情が欠けてる。
翌日…。
ヘルダイバー君、探したわよ。今日も一緒にいてもらえるかしら?
実は俺もそのつもりで探していたんですよ。
ふふ、それだったら一緒にここへ来ればよかったかしら?
ははは、その通りですね。
じゃあ…今日もお願いね。
…こちらこそ。
旅行二日目においてもヘルダイバーは涼子さんの警護任務を続行。
だがその距離は前日に比べて近くなっていた。
見ろよ、二人の打ち解けようを…作戦初期とは全く違うな。
しかし、涼子さんってこんなに積極的な人でしたっけ?
…大方、慣れない環境で精神が浮足立ち、そんな精神の変化が
行動の積極性という形で表れているんだろう。
そして、そのような心身の状態は司令にとって限りなく有利である…
ですね?
その通りだ。…やっぱり少尉とガディは慎重すぎるな!
まったくです!今の二人の様子は…。
と、茶化されてもおかしくありませんからね!
分かってるじゃないか!ハハハ…。
(…傍から見れば俺と涼子さんは恋人同士なんだろうか…。)
(そう見えていればいいなぁ…。)
ねぇ、ヘルダイバー君…。
は、はい!なんでしょうか!?
年上の女性をどう思うかしら…。
す、好きです…いえ、大好きです!!
…そう、それじゃあ…。
私たちって、恋人同士に見えるかしら?
もちろん、見えている…といいですね。
そうね、うふふ…。
(あぁ…お姉さんかくあるべき、といわんばかりの素晴らしい外見、
そしてそんな外見とはミスマッチな少女のような言動…最高だ!)
(…勝てる!涼子さんのためなら千鳥軍団程度であれば俺一人で殲滅できる!)
(…今しか告白のチャンスはない!今だった絶対にOKをもらえる!
そう確信した!!)
よし!行け!
そうだ!ここで行かなきゃ玉無しですよ!司令!
りょ、涼子さん、お、俺実は…!
!?
ヘルダイバーが意を決したその刹那、突如として飛んできた声。
その声の正体は葵さんであった。
どうやら二人が自分達の世界に飛んでいたために、その存在を見落としてしまっていたようである。
彼女の一声によってヘルダイバーと涼子さんは一瞬にして現実へ引き戻されることに…。
それだけでも大打撃であるというのに、あろうことか葵さんは密着している二人を冷やかし始める。
結果、葵さんには昨日の経緯を話し、誤解であるということを理解してもらうことに成功した…。
(うぅ…あと1分…いや、30秒遅ければ、誤解でなかったというのに…。)
(ぢ…ぢぐしょおおお―――!)
F〇ck!Fu〇k!Fuc〇!!
……。
それにしてもなんてことだ!
…。
司令、落ち着いてください…過ぎたことに対して怒っていても始まりませんよ?
落ち着いてなどいられるか!ぬううう…この怒り、どうするべきか…。
私が怒りを解消する最高の方法を提案いたします。司令。
ほう、どんな案だ?
至極簡単なことですよ。アドリブが過ぎる名女優様にこの舞台からご退場
願うだけです。
なるほど。…シンプルかつ効果的だな。
そ…それって殺すってことですか!?
おいおい少尉…そんなあけすけに言ったら私の遠まわしかつ詩的な表現が
台無しじゃないか…。
表現が違ったってやろうとしていることは同じです!
そうか。ならストレートな表現がお好きな少尉殿に合わせた言い方をするか。
…おい!
我々の任務はなんだ!?
殺せ!殺せ!殺せ!
今、司令が直面している苦境を打破するための最良の行動はなんだ!?
殺せ!殺せ!殺せ!
誰を!?
葵!葵!葵!
では、そんな司令の苦境を打破するための栄誉ある任務に志願するものは
腕を上げろ!
ウオオォォォォォォォ!!
…これが、私と兵たちの意見だ。少尉。
キ、キンゼー大佐!なんとか言って下さい!こんなのおかしいですよね!?
…おかしいのは君の方だ、少尉。
え!?
以前から彼女の二人への干渉・妨害は目に余っていた。今度は我々が動く番だ。
そんな…ただ司令と涼子さんのことを冷やかしただけじゃないですか…。
個人の気持ちや考えというものは往々にして言葉の影響下に置かれているものだ。
今日の昼の様な出来事を言葉だけの否定と考えるのはたやすい。
だがその言葉だけの否定を何度も繰り返すことで
言葉の内容が本心となる、なんて可能性も考えられないか?
ですが!そんな遠い先の可能性だけで葵さんを殺めるなんて…。
どうやら君と私たちの間にはこの作戦についての認識にズレがあるようだな。
我が軍の尊厳をかけた戦いなのだよ、これは!
…ッ!?
Piaキャロットシリーズはガードリーダー隊長、最高幹部とつお、
さらにスイマーというロングソード連合の幹部たちが愛した作品だ。
そのようなシリーズの作品を司令は後援者の中で初めてプレイ日記の題材として選んだ…。
このことの重要性はわかるな?
は、はい…。
万が一、いや億が一にも作戦の失敗は許されないのだ。
見えている失敗の芽はとっとと取り除くに限るということだな。
失敗したらその日から俺たちの呼び名は「関東の千鳥軍団」になるんですよ!
…そのような非道な行為をすれば他の勢力から批判を浴びるのでは?
過去の前例
はるか昔に隊長は「Piaキャロットへようこそ」攻略の際に邪魔になった女性を
殺めている過去がある。(プレイ日記第10弾)
よその連中から何か言われたところで
「我々はガードリーダー隊長の作った前例に従っただけだ。」と返せばいい。
…。
もう議論は十分か?納得したか、少尉?
…分かりました。もう止めません。
し、じゃあさっそく…。
…ですが、一つだけ聞かせてください。司令は涼子さんをご自身の所有物に
したいのですか?それとも
今後の苦境を共に乗り越えるパートナーにしたいのですか?
え…?そ…それはもちろん、私は涼子さんとは対等な関係を…。
ここで葵さんを殺めれば今後の攻略はとてもスムーズなものになるでしょう。
なぜなら、親友である葵さんの死は涼子さんの心には動揺や喪失感を生み、
付け入りやすくなるからです。
ですが、司令と涼子さんの間には「涼子さんの親友である葵さんを殺した。」という
とても深く、暗い溝が生まれることになります。
…!
決して知られることが許されないこの事実を隠すためには、今後ずっと涼子さんを欺き、
事実を隠し通すことになります。
それは果たして対等な関係と言えるのでしょうか?
私には鳥かごの中の鳥と、その飼い主の様な関係に思えるのですが。
…。
そして、もう一つだけ言っておきます。
クライバー大佐の提案を実行に移せば一生涼子さんの心からの
笑顔を見ることはできなくなりますよ。
う…っ!!
笑わなくなる、ということはないと思います。たぶん涼子さんは周囲に気を使い、
その顔に笑みは絶やさないでしょう。
ですが涼子さんの心には親友の死によって刻まれた心の傷、
そして殺した人物への怨嗟と憎悪が残り続けます。
そんなものを抱えている人が心から笑うことができると思いますか?
お言葉ですがそれは誰かに殺された、ということが分かった
場合であって…。
もし、うまく証拠や遺体を隠滅することができたとしても、涼子さんの心には
一生大きなわだかまりが残り続けるわ。
昼間の出来事の直後に、葵さんがいなくなった…。涼子さんは誰を疑うと思う?
そ、それは…。
涼子さんは頭がいいし、冷静だから疑念だけで物事を決めつけるようなことは
しないはずよ。
でもそんな疑いのある人の前で心を許して笑うことができるかしら?
…どちらにせよ結果は同じよ。
…。
これらのことを受け入れるうえで司令が行うというのであれば、
私は一向に止めません。…好きにしてください。
…。
…。
…。
総員…よく聴いてくれ。
私ヘルダイバーは女性を自らの所有物にする気はなく、またその心を踏みにじることもできん!
腰抜けと笑いたければ笑うがいい!軍を抜けたければ聞き入れよう!
だが、このヘルダイバー…畜生にはなれん!
クライバー大佐の提案は…却下する!各自、持ち場に戻ってくれ。…以上だ!
…はいっ!
了解しました。
仰せのままに。
まぁ、司令ご自身がそう言うんなら…。
少尉…。
なんですか?
上官としてではなく、一人の人間として言わせてくれ。
君のおかげで人の道を外れずにすんだ…本当に、ありがとう。
いえいえ、どういたしまして。…そうだ。明日寮の近くで縁日があるらしいので
行ってみてはどうですか?いい息抜きになると思いますよ。
…たまには童心に帰るというのも悪くはないか。分かった、行ってみよう。
次の日…。
縁日の風景ってのは何年たっても変わらないものだな…。
あら、ヘルダイバー君じゃない。こんばんは。
あ…涼子さん。
髪を上げてみたんだけど…おかしくない?
おかしいなんてそんな…すごく似合っていますよ。
よかった、知っている人に会ったら少し恥ずかしいなって思っていたの。
そうだ、ヘルダイバー君は一人で来たの?よかったら一緒にどうかしら?
もちろん、喜んで!
うふふ、それじゃ一緒に回りましょうか。
…。
どうしたの?
い、いえ。さぁ、行きましょう!
(そうだ…この笑顔だ…!こんな素敵な表情を一生見ることができないなんて
敗北も一緒じゃないか!)
忠実な部下たちに支えられながら、ヘルダイバーのPiaキャロットでの勤務は続く…。