※このプレイ日記は2015年1月8日に後援者のヘルダイバーさんが製作したものです。








 あのう…司令、ずっと気になっていたんですが…。


 ん?どうしたんだ?











 このステータスみたいなのって上昇させなくていいんですか?


 …あ、あぁぁぁ!!













第1317弾





Piaキャロットへようこそ!2


PartD












ヘルダイバーはとても重要なことを忘れていた…それはステータスの強化である。

いくらイベントを消化しようが、ステータスが整っていなければすべては無意味だ。






 

そのことに気づいてからのヘルダイバーの行動は実に素早かった。

昼の時間を勉強やジョギングに費やし、己が能力の足りない部分の補填を行った。












結果能力値はある程度成長したものの体力は極限まで低下してしまった。

だが、アルバイトを休むわけにも、鍛練を怠るわけにはいかない。

全ては最終日に涼子さんに振り向いてもらうためなのだ。







 ハァ…ハァ…行ってくるぞ…。


 司令、無茶です!休んでください!


 何を言っているんだ?休んだら涼子さんに失望されてしまう。


 ですがその状態では、勤務時の作業効率が落ちてしまうことは明白です。

かえって迷惑ですよ。


 だいたい今の司令みたいなフラフラの店員を見たら飯なんか

食いたくなくなりますって。


 休む方がよっぽど迷惑だ。隕石が降ろうが俺はキャロットへ行くぞ…。

        それに、今日は厨房での調理作業なんだ。醜態をお客様にさらすことはない…

安心しろ。

じゃあ、そろそろ時間だから後の話は帰ってからしよう。あぁ…遅れてしまう…

行かなくては…行かなくては…。


 ……。








 おい、どうするんだよ。


 もうほとんど双葉さんへの想いだけで立っているような状態だな。


 全く、変に責任感が強いんだから…。大変なことにならなければいいけど…。













 チクショウ…なんだか目がかすんでいるように見えるな…。

指を切ってしまいそうだ…。


 様に、ではなく本当にかすんでいるんですよ…。


 なんだ、今度はお前らが俺にサボりのお誘いをかける番か?


 司令、サボりと適切な休養は全く違うものです。そして私たちが見るに

ここ最近の司令は圧倒的に後者が足りていません。


 あなたは疲れています。休養が必要です。













 死んでから休めばいい。


 死んでしまっては意味がありませんよ!


 意味ならあるさ。


 え?


 涼子さんのために殉じたという意味が、な


 し、しかし…!


 しかしもカカシもなしだ。それに、働きづめというわけじゃないから

安心しろ。現に今から昼休みだ。

さぁ、行ってくれ。俺の休みを邪魔しないでくれ。


 …。










 …まいったな。取りつく島もありゃしないぜ…。


 どっちかっつーと、なにかに憑りつかれてるぜ。ありゃ。


 でもよう、最初俺たちに仕事を押し付けたじゃねぇか…なんで今になって

あんなに仕事にこだわるんだ?


 うぅーん…分からねぇな…とにかく報告しに寮に戻るぞ。


 おぅ!














 …。

(俺は最初涼子さんを目的にキャロットへ入った…。)

(その時点ではあいつらが言う通りキャロットの仕事など雑事でしかなかったし、

当然押し付けるべきものだと考えていた。)










 (だが、涼子さんはキャロットの仕事に全力で取り組んでいた…。)

(マネージャーとして、一スタッフとして、その両面でだ。

きっと、心身への負担は相当なものだろう)

にもかかわらず、涼子さんはキャロットでは常に笑顔だったし、

疲れや以前打ち明けてくれたような悩みを表に出すことはなかった…。)

(…そんな健気な姿を間近で見て、
休めるわけがないだろう!




 おっと…思索にふけるうちにもう休憩時間は終わりか。

…さぁ、この後も頑張るぞ!











 う…これから仕事だっていうのに…ダメだ…か、身体がいうことを…。










 い、意識が遠のいていく…。











 う…動かぬ…くく…目も開かぬ…。










スッ…。










 な…なんだ?







 


 か…体から…疲れが…か…神の手か…!









 

 だ…誰だ…。













 ヘルダイバー君、気がついたのね?


 涼子さん…。す、すみません、起きなくちゃ…。


 あっ、動いちゃダメよ。しばらくは安静にしていないと…。


 くそ…仕事中に倒れるなんて、情けないな…。













 きっと過労だと思う。ヘルダイバー君、がんばり過ぎだもの…。

お願いだから、もう、こんな心配はかけさせないで。…本当に心配したんだから…。


 もう大丈夫です。…仕事に戻ります。


 今日はもういいの…残りの時間は気にしないで。


 で、でも…。


 お願い…。ね、ヘルダイバー君…。


 …はい、しばらくここで休ませてもらいます…。











 

その後、涼子さんは閉店までヘルダイバーのそばに付き添ってくれていた。

形はどうあれ、二人きりの時間を過ごすことができたわけだが、

ヘルダイバーの胸には幸福ではなく、呵責のみが渦巻いていた…。




 チクショウ…なんてザマだ…。俺はキャロットの皆や涼子さんにどれだけの迷惑を…。

…思い返せば今回の作戦で俺は涼子さんに世話になりっぱなしだったな…。

そろそろ、男を見せなくちゃな…。














 うん?なんだ…?














 どうしたんですか葵さん、こんな夜遅く…。


 ゴメンね、起こしちゃった?これから涼子と二人で飲むところなんだけど、

一緒にどう?


 …もちろんです。朝まで付き合いますよ。


 さすが、話が分かるわね〜。それじゃ、涼子の部屋に殴り込みに行きましょう!











 ほら、ヘルダイバー君、ぜんぜん手がお留守よ。


 それじゃあ、ウーロン茶を…。


 え?ウーロン茶でいいの?


 まだ未成年なもんで。意外でしたか?


 年齢より見た目がガソリンで動いてそうな感じだったから意外だわ〜。


 あなたは人を何だと…。



 ふふ…それじゃあ、乾杯しましょう。













 乾杯!

 あはは、かんぱ〜い!













 さてと、そろそろ本題にしましょうか♪


 …?


 ヘルダイバー君、正直に答えてもらうわよ。








 誰と寝たい?


 …は?(汗)


 う〜ん質問が遠まわしすぎたかしら?


 遠まわしどころかストレートど真ん中ですよ。(汗)










 でも、正直なところ、気のある女の子はいるんでしょ?隠したってダメよ。

ちゃんとお見通しなんだからね!

 まぁ、いないと言えば嘘に…。












 この際だから言っちゃいなさい。アタシだったらいつだって歓迎しちゃうわよ?


 …分かりました。言わせていただきます。


 エライ!それでこそ男ってもんよ!


 後悔するかもしれないわよ。それでもいいの?


 大丈夫です。後悔なんてしませんよ。


 それじゃ聞くけど、もちろんお店で働いている人よね?


 えぇ、もちろんです。













 だ、誰なのかしらね…。


 ちょっと涼子、なに動揺してるのよ。や〜ねぇ…。


 一口にお店の人って言っても何人もいるから…。


 それじゃ、えっと、今は普通の人だったらもう寝てる時間だけど、

その女の人は起きてるかしらね?












 起きてますよ…今、一緒にいますから…。








 


 ということは、普通じゃないアタシか…。


 それに付き合ってる私…。


 はい…。


 ……。


 (…言ってしまった…。)

(だが、葵さんがいる以上遅かれ早かれこんな状況が来ることは

決まっていたんだ…。)










 (さぁ、どう出る双葉涼子…!)


 ……。








 


 ぐすっ…ぐびぐび。


 …!?


 涼子、なにイッキ飲みしてるのよ。(汗)











 だって、ヘルダイバー君が私たちをからかうんだもの。シラフじゃいられないわ…!

…もっとビールちょうだい!ぜんぜん足りない!!


 ちょっと飲みすぎよ。涼子ったら…。


 葵ちゃんももっと飲んで!ビールならまだまだあるわよ!


 イッキ飲みは体に悪いわよ…明日だって早いんだから…。


 うう、だってヘルダイバー君がウソつくんだもの…。(泣)


 (いかん!…もっとハッキリ言うべきだったか?)


 ヘルダイバー君、ほんとうにウソなの?


 う、嘘なんかつきませんよ!本当のことを言っただけなんですから!


 それなら、涼子に本当だって説明して、ビールを取り上げなさい。


 …分かりました。さぁ、涼子さん、冷静に話し合いましょう…。












 …さっきの本当なの?答えてちょうだい!

 もちろん本当ですよ?だから…









 じゃあ、どっちなの!?


 どっちと言われましても、こうした場ではあまり…。


 …やっぱり嘘なのね。ひどいわ…ヘルダイバー君。(泣)


 いや、それは…。









 


 …わかったわ。でも、二人のどちらかが好きだっていうのは本当の事なんでしょう?


 はい、それは本当の事です。


 うん、それだけ聞ければいいの。もう追求しない。












 (ふぅ…分かってくれたか…。よかった…。)

さぁ、誤解が晴れたところでその手に持ったビールを…











 だから私これから脱ぐわね。


 …。













 だって暑いんだもの。うふふ、脱いだ方が楽でしょう?


 いや…ちょっ…。














 (ほ…本当に脱ぎだしたぞ!おい!)


 …思い出したわ。涼子って酔うと脱ぎだすのよ…。


 見てないで止めてくださいよ!


 アタシはもうダメ。へろへろなの…。お休みぃ…。



 あ…葵さん!

 ねえ、お願い、引っかかっちゃったのぉ〜。上着だけ脱がせてぇ〜。


 …。













 あん、そんなところ触っちゃだめぇ…。感じちゃう…。


 指一本触れてないんですが…。


 この際だからぁ…ブラも外すぅ!ヘルダイバー君に私のすべてを見てもらう!


 うぅ…。


 ヘルダイバー君…。


 こ…今度はなんですか?一体…。












 


 私、確かに酔っている。でも、だからって嘘はつかないつもりよ。


 …!


 …私の胸に手を当ててみて…。こんなにドキドキしているでしょう?


 …涼子さん…俺…。













 好きな人っていうのは、たぶん葵なんでしょう?


 …え?


 私の前に現れる人は、みんな葵に惹かれていったから…。

私、それでもいいの。それでもかまわない…。でも…

あなただけは、私を…。


 涼子さん…。俺も、涼子さんのことが……。















 はれ?りょ、涼子さん?


 ううん、もうダメぇ…もう飲めない。…遅刻しちゃうわ…。


 …寝ちゃったよ。服を着せてあげなくちゃな…。














朝、目が覚めた涼子さんは深夜にあった出来事を綺麗に忘れてしまっていた。

自身の暴走を忘れたことはいいのだが、

同時にヘルダイバーへの告白についての記憶も霧散していた…。









 (…もう、いいかげん想いを伝えなければ…。このままじゃヤバいぞ…。)

…ジェノアス。


 ハッ!


 至急ガディとカルロス、少尉を呼んできてくれ。





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