ミサキシティー ジャズバー「lily flower」








 すみません。オレンジジュースをもう一杯。











 どうぞ。



 ども。



 それで10杯目。
いくらジュースでも飲みすぎは身体によくないわ。



 あなたは・・・?














 私?私はただの観光客。



 はあ。



 さっきから貴方を見てたけど
なにを悩んでいるかしら。



 別に悩みなんて・・・・。



 好きな女性のこと、かしら?



 えっ。
なぜわかったんです。



 フフフ。女の勘。いいえ、年の功ってところかしら。














 
気になるひとを見つめているだけじゃ一生片想いのままよ。

片想いで満足しているのならそれでもいいわ。

でも振り向いてもらいたいと思ってたら
、見つめているだけじゃダメよ。



 ・・・。



 ひとには言葉というものがあるでしょう。言葉には魂が宿ると言うわ。

魂をそのひとにぶつけなさい。

それが良いか悪いかは別として、
必ず振り向いてもらうことができるから。



 魂を。



 問題なのは
振り向いてもらう行動すらできないこと。自分が傷つくことを恐れて、

なにもしないこと。



 ・・・。












 先生。どうぞ。



 ありがとう。



 どこの誰か知りませんけど・・・
ありがとうございます。俺、がんばってみます。



 フフ。
若いっていいわね。ヘンに擦れていない分、うらやましいわ。



 そうですね★
















第1345弾





Piaキャロットへようこそ!3


PartB










 

ファミリーレストラン「Piaキャロット」24号店。

ミサキシティでも人気店にアルバイトすることになったのは、若き闘将・馬鉄。

これまで戦場での槍働きしかしたことがない馬鉄は業務に悪戦苦闘。










しかし持ち前のガッツで、馬鉄はマネージャー・岩倉夏姫からも一目置かれる存在に。

好感度は確実に上がっていた。








 ようやく夏姫さんに認められたけど、このままじゃ見つめているだけで1ヶ月が

終わってしまうな。今度の連休は遊びに来てもいいって言ってるし・・・

思い切ってデートに誘ってみるか。










 

馬鉄は動いた。

夏姫が休日のタイミングを見計らい、海水浴に誘ったのである。

さすが馬超の弟。見事な速攻戦である。









 


 どーみても内陸。ミサキシティに海はなさそうだが・・・。



 ある。
ミサキ海岸だ。対艦艇用に10センチ砲を2門配備している。



 チンケな防衛線だな。
アヴァロン軍は本気で此処を守る気があるんかね。















海デート当日。夏姫は先に到着していたようだが・・・





 しつこいわね。何度言っているでしょう。ここで待ち合わせをしているって。















 へへ。
でも一向に来る気配ないじゃん。



 そんなヤツほっといて
俺たちと一緒に遊ぼうぜェ。



 気安くさわらないで!



 ヒャヒャヒャ。気の強いネーチャンだ。決めた、
今すぐアフリカに連れていこう☆



 おのれ下郎。許せんっ・・・!
















 
はげっ!



 な、
なにィ!!!



 
さあ誰だ!次にこうなりたいヤツは!















 けっ。面白くねえ。彼氏連れかよ。
撤収だ、撤収!



 くそっ。覚えてやがれっ(汗)




 ありがとう。助かったわ。タチの悪い連中で困っていたの。



 いえ。怪我がなくてなによりです。














 (しかし美しい・・・。これほどの美人、俺の故郷・西涼にはいないぞ)



 じゃあ私はサンクリームを塗るから・・・・



 あっ!手伝います、手伝います。
俺が塗りますよ。



 えっ。












 意外と大胆なのね・・・。














 ちょ、ちょっと(汗)手つきが少し・・・
ヤらしいわ。



 むむむ。コイツは刺激が強すぎる。
まいったぜ(汗)



 馬鉄。
アヴァロン軍じゃ使用禁止らしいぞ。「まいったぜ」っての。



 なぜだ。



 さあ。
俺に言ったって知るかい。



 その「知るかい」もアウトだ。
















予想外のご褒美CGに動揺した馬鉄だが、海でのデートは成功。

前回のお買い物編に続き、馬鉄は確実に夏姫との距離を縮めていた。





 デートは成功か。では追撃戦だ。この機を逃さず連続アタックあるのみ!











 

二人が向かったのは縁日のお祭り。

この街がミサキシティと呼ばれる前から続く、昔ながらの小さなお祭りだ。













 懐かしい。こういうお祭りがまだあったのね。あっ、あれは・・・。



 どうしました?









 

夏姫が見に止めたのは、出店に並んでいたおもちゃの指輪。

どう値踏みしても500円しない商品群の中で、それは静かに光を放ち続けていた。












 子供の時に買った覚えがあるわ。ガラス玉だけど、当時は大切な宝物だったわ。

本当に懐かしい・・・。




 夏姫さんの子供時代か。












 じゃあこの指輪、俺がプレゼントしますよ。



 えっ。私に??指輪のプレゼントっていうのは・・・。



 あっ。














 (夏姫さんが困惑するのは当然か。おもちゃといえ、男が女性に指輪をプレゼントする

行為自体、
特別な意味があるものな)













 はは。やっぱりやめておきます。こういうのは出しゃばりすぎでしたね(苦笑)



 ううん。ありがとう。そのプレゼント、ありがたく頂いておくわ。














 夏姫さん、すごく似合ってますよ。って、
左手の薬指??



 ここではダメ?
それじゃあ、違う指に変えようかしら。



 あ、いえ。変えないで・・・ください。











 指輪のプレゼントって、
実はこれが初めてではないの。



 そう・・・ですか。















 (夏姫さんのような綺麗な女性を他の男が放っておくはずがない。当然か。

きっと、それはおもちゃなんかじゃなく、本物の指輪なんだろうな)













 でも、ここに填めたのは、これが初めてよ。



 えっ。



 
この指輪は大切にするわ。ありがとう。















左手の薬指は、婚約者の証。




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